イケメン総長は、姫を一途に護りたい
柔らかい表情。


その姿を見たら、自然と涙が引いていった。



「ずっとずっと、咲姫のことが好きだった。再会してからも、離れてからも…ずっと」

「…千隼くん」

「俺は、咲姫を守り続けたい。もうだれにも渡さないっ。…だから、これからも咲姫のそばにいていいか?」


千隼くんは、わたしにそう尋ねてくれるけど――。

そんなの、答えは初めから決まっている。


「わたしも、これからも大好きな千隼くんのそばにずっといたい…!」


わたしたちは、どちらからともなく腕をまわすと、強く優しく抱きしめ合ったのだった。


やっと、千隼くんと想いを1つにすることができた。

千隼くんも、わたしと同じ気持ちでいてくれたことがすごくうれしい。



…コンコンッ


わたしたちしかいない保健室に、ノックする音が聞こえて、肩がビクッと反応する。
< 236 / 288 >

この作品をシェア

pagetop