イケメン総長は、姫を一途に護りたい
「お取り込み中のところ、失礼。ちょっといいかな?」


目を向けると、そこに立っていたのは光さんだった。


わたしたちは、慌てて体を離すも…。


「こんなところでそういうことをされると、学校の風紀が乱れるから困るんだが」


…やっぱり見られていたっぽい。


「光さん、どうしたんですか…?」

「キミたちを呼びにきたんだよ。もうすぐ閉会式が始まるから、グラウンドに集合するように」


それだけ言うと、光さんはわたしたちに背中を向けた。


あんな場面を見られたというのに、…それだけ?


思わず拍子抜けしてしまった。


「…待てよ、二階堂」


すると、千隼くんが光さんを呼び止めた。


「なんだ、緒方?僕は、閉会式の準備もあって忙しいんだが」

「その前に、お前に伝えたいことがある」
< 237 / 288 >

この作品をシェア

pagetop