イケメン総長は、姫を一途に護りたい
耳、口、鼻にはピアスだらけ。


見た目からして、…こわすぎるっ!!


「総長、大丈夫っすか!?」


金髪の人が、真ん中にいた黒髪の男の人に声をかける。


どうやらわたしは、この人にぶつかってしまったようだ。


し…しかも。

今、『総長』って言った…?


なんだかよくわからないけど、わたし…ヤバそうな人にぶつかってしまったみたい…!?


「ああ、俺はなんともないけど」


その言葉を聞いて、少しだけホッとする。

でも、こんなところで落ち着いてなんかもいられない。


すると、黒髪の男の人がわたしに視線を向けた。

その目が、なんだか鋭くわたしを睨んでいるような気がする。


「もしかして――」

「ご…!ごめんなさい!ぶつかってしまって、本当にすみませんでした…!!」


わたしは早口でそう言うと、一目散にその場から逃げ出した。
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