総長、私のリボンほどいて。🎀
私の感覚が麻痺する。
え……。
月沢くんが、
暴走族有栖の総長?
「じょ、冗談はやめて下さい」
「ただの噂とか…ですよね?」
私は恐る恐る聞き返す。
『てめぇ、バカか!』
私の体がびくつく。
『せっかく現実教えてやってんのに』
『これだから本命作りたくねぇんだよ』
「じゃあ、天川くんも…?」
『月沢に聞けば?』
『俺達のことよーく知ってるだろうし』
『でもまぁその前に』
『“ありすちゃん、さよなら”だけどね』
え、さよなら?
『もう時間切れ。速水』
天川くんがそう言うと、速水くんは私の右耳からスマホを放し、自分の耳にスマホを当て直す。
『てめぇら月沢の居場所突き止めたんだろうな?』
「まだっす」
『何やってんだ!?』
『女使って今すぐ誘き出せ!』
電話がブチッと切れた。