総長、私のリボンほどいて。🎀

「そーいうことなんで、ごめんねー」
桃原(ももはら)

 桃原(ももはら)くんが私のセーラー服をめくる。

「きゃっ」

「おお、なかなかいいな」
 桃原(ももはら)くんはそう言うと白いブラのリボンを人差し指で触れた。

「ゃっ…」

月沢(つきさわ)くーん、彼女泣いてるよー」
「早く出て来ないとヤラれちゃうよー?」
 速水(はやみ)くんが楽しそうに呼ぶ。

 血の気がみるみる内に引いていく。

 赤羽(あかばね)くんの時は夕日(ゆうひ)ちゃんに伝わったから夜野(やの)くん達に助けてもらえたけど今日は……。

 私、このままヤラれちゃうの?
 そんなの、

 絶対に嫌だ。

 お願い、届いて――――。

月沢(つきさわ)くん、たす、けて」

 ――――パタ。
 シューズの音が響いた。

 月沢(つきさわ)くんが教室の中に駆け入ってきて、

 速水(はやみ)くんの顔面目掛けて自分の鞄を思い切りぶん投げ、
 桃原(ももはら)くんを瞬時に突き飛ばす。
< 186 / 480 >

この作品をシェア

pagetop