総長、私のリボンほどいて。🎀


「…はっ」
 私は目を覚ます。

 今の夢?

「…大丈夫か?」

 え? 保健室?

 私は寝たまま窓の外を見る。

 外、もう真っ暗…。

月沢(つきさわ)くんがここに…?」

「…あぁ」
「…軽いショック状態で保健の先生が水分補給と体を温めてくれた」

「全然覚えてない…」

「…そう」

速水(はやみ)くん達は?」

「…お前が寝ている時に凜空(りく)から電話もらって」
「…生活指導の先生と一緒に警察に連れて行かれた」
「…残った先生達にさすが優等生だって感謝されたって言ってたわ」

「そっか…」

「…星野(ほしの)、飲む?」

「うん」

 私がゆっくり起き上がると月沢(つきさわ)くんが(ふた)を開けてスポーツドリンクを手渡してくれた。
 一口飲むと蓋を閉めて丸い椅子の上に置き、スカートからスマホを取り出す。

 スマホを見ると、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと表示される。

「あ、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんから電話…」

「…俺のことは言うなよ」
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