総長、私のリボンほどいて。🎀


「ありす、おい、起きろ」
 深夜前。氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが部屋にアイスコーヒーを持ってきてくれた。

 マンションは15階建てで私達は5階の部屋に住んでいて、私の部屋はシンプルでエアコンに学習机とベットだけある。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは、さらっとした金髪に整った顔。片耳にはピアスをつけ、グレーの長袖のTシャツに長い紺色のアンクルパンツ。
 話し方はいつもぶっきら棒。

「あ、氷雅(ひょうが)お兄ちゃん…」

「寝てんじゃねぇよ。これ飲んで頭冷やせ」

「うん、ありがとう…」

「でもまぁ」
「寝られるってことは第一志望の一流大学、余裕で合格出来そうだな」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはそう言って私の頭を優しく撫でる。

「寝てんの邪魔して悪かったな」
「…ありす、頑張れよ」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは部屋から出て行く。
 ぱたん、と閉まる部屋の扉。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんに撫でられた頭、ズキズキする。
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