総長、私のリボンほどいて。🎀
*
7月26日の昼前。私は教室で自分の椅子に座っていた。
2学期の終業式、終わっちゃった。
もう夏休みかぁ、全然実感わかないな。
朝、下駄箱の前で夕日ちゃん達と会って、
深夜に氷雅お兄ちゃんと月沢くんが喧嘩したみたいで看護師さん止めに入ったこと聞いたけど、なんで私に電話かかって来なかったんだろ。
氷雅お兄ちゃんに言わないでって頼まれたのかな?
とにかく心配だし、夕日ちゃん達と今日もお見舞いに行こう。
ガタッ。
私は椅子から立ち、鞄を持つ。
「星野、少しいいか?」
「白瀬先生? どうしたんですか?」
「前に“無理に人と関われとは言わないが、もっと周りを見た方がいい”と言ったことを覚えているか?」
「あ、はい」
白瀬先生は優しく笑う。
「星野、周りをよく見れるようになったな」
「え、ほんとうですか?」
「あぁ、変わったよ。月沢との関わりが星野を変えたんだろう」
「“あんなクズな生徒、気にかけるだけ時間の無駄だ。今すぐ忘れた方がいい”と言ったことは撤回しよう」
7月26日の昼前。私は教室で自分の椅子に座っていた。
2学期の終業式、終わっちゃった。
もう夏休みかぁ、全然実感わかないな。
朝、下駄箱の前で夕日ちゃん達と会って、
深夜に氷雅お兄ちゃんと月沢くんが喧嘩したみたいで看護師さん止めに入ったこと聞いたけど、なんで私に電話かかって来なかったんだろ。
氷雅お兄ちゃんに言わないでって頼まれたのかな?
とにかく心配だし、夕日ちゃん達と今日もお見舞いに行こう。
ガタッ。
私は椅子から立ち、鞄を持つ。
「星野、少しいいか?」
「白瀬先生? どうしたんですか?」
「前に“無理に人と関われとは言わないが、もっと周りを見た方がいい”と言ったことを覚えているか?」
「あ、はい」
白瀬先生は優しく笑う。
「星野、周りをよく見れるようになったな」
「え、ほんとうですか?」
「あぁ、変わったよ。月沢との関わりが星野を変えたんだろう」
「“あんなクズな生徒、気にかけるだけ時間の無駄だ。今すぐ忘れた方がいい”と言ったことは撤回しよう」