総長、私のリボンほどいて。🎀

「……うん」

 短く答えると、ぽか、と月沢(つきさわ)くんの胸を叩く。

「私にだけは絶対に言うなって何?」

 私は胸をぽかぽか叩き続ける。

「余命一年のお父さんと暮らす為に黒有栖(くろありす)を辞めて東京に行くことも」
「お父さんと東京で会って話をつけたことも」
「ぜんぶ、ぜんぶ、1番に話して欲しかったよ!!」
「私だけ何も知らないなんて、やだよ!!!!!」

 拳を振り上げると、月沢(つきさわ)くんは止めずにそのまま拳を受け入れた。
 月沢(つきさわ)くんが一瞬痛そうな顔をし、ハッと我に返る。

月沢(つきさわ)くん、ごめ…あばら…」

「…平気、胸だし」
「…ありす、悪かった」

「そう…悪いと思ってるなら」

 私は両拳を胸に押し付けたまま見つめた。

 涙が頬を伝う。
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