総長、私のリボンほどいて。🎀

「…あー、だから話したくなかったんだよ」

 え?

 月沢(つきさわ)くんは切なげな顔を浮かべる。

「…俺が東京のこと話したら、そういうって分かってたから」
「…離れたくねぇって、離したくねぇって、ぜってぇ思うから」

「だったら離さないでよ」
「私、月沢(つきさわ)くんと離れたくない」
「一緒に暮らしたい」

「…お前、一緒に暮らすってちゃんと意味分かってる?」
「…高校はどうすんだよ? 生活費は? 俺こんなだし親父とダブル介護生活になるけどお前出来んの?」

「出来るよ。高校は月沢(つきさわ)くんと同じ高校に転校するし、生活費はバイトで稼ぐし、ふたりのお世話だってちゃんと…」

 月沢(つきさわ)くんは私の両拳を胸から下に降ろす。

「…気持ちは嬉しいけど、一緒には連れて行けねぇ」

「……だよね」

「…ありす?」

 私は涙を零しながら笑う。
「分かってた。でも、最後だから我儘(わがまま)言ってみた」

「…そう。なら、違う我儘なら聞いてやる」

「じゃあ、最後にアイスキャンディー食べながらベランダで一緒に月が見たい」
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