総長、私のリボンほどいて。🎀


「わぁ、綺麗…」
 ベランダに出ると、私は白いサワー味のアイスキャンディーを食べながら月を見て言った。

 隣で月沢(つきさわ)くんも同じアイスキャンディーを食べている。

「…今日は十三夜の月だからな」

「十三夜の月?」

「…満月に次いで美しいとされる月で、これから満ちていくらしい」
「…ってネットに書いてあった」

「じゃあ月沢(つきさわ)くん、これからはお父さんと幸せになれるね」

「…ありす」

 月沢(つきさわ)くんが黒有栖(くろありす)の特攻服をふわっと投げた。

 私はそれをキャッチする。

「え、これ…」

「…お前の。氷雅(ひょうが)に渡せって頼まれた」

「特攻服作ったの!?」

「…あぁ、合併してからすぐにな」

 私はぎゅっと特攻服を抱き締める。

月沢(つきさわ)くん、上着だけ着せて」

「…いいよ」

 ふわっ…。
 月沢(つきさわ)くんは着せてくれた。

月沢(つきさわ)くんと一緒で嬉しい」

「…そうかよ。あー、このままバイクでカッ飛ばしたかったな」

 私もそんな月沢(つきさわ)くん、見たかった…。

「……ねぇ月沢(つきさわ)くん、もう1つだけ我儘(わがまま)言ってもいい?」

「…何?」
< 443 / 480 >

この作品をシェア

pagetop