Mazzo d'amore
小さい頃から可愛い可愛いともてはやされ、沢山お菓子やご飯などを与えられていた。

しかし私にも転機が訪れた。小学6年生の時、修学旅行での写真を買う時間が設けられた時。

友達とどの写真を買うか多目的教室で選んでる時、集合写真を見てふと1番前で椅子に座り写ってる自分を見て思った。

(なんか丸くね?)

椅子にボテっとした球体が座っているのだ。

あれもこれもそれもどの集合写真を見ても。

(あれ?私首生えてる?)

赤ちゃんの百日記念日(お食い初め)の写真かのように首もないように見える。

心無しかみんなクラス写真を見てクスクス笑ってる気がする。

「この中で変な奴探そうでー」

そう男子の声が聞こえて私がピックアップされる気がする。

いや、気のせいではない。

写真に写る私を指差し爆笑してる。

「おい!左左!」

そして私の存在に気づいたら少しだけ気まずい顔をしてる。

「母さん、私、太ってるから痩せたい!!」

「ようやく気づいた?」

「え?」

「あんた超デブだから痩せな。しばらくお菓子禁止ね」

「え?デブって…俺の事?」

父も下っ腹がぽよんぽよんなのでフリーズしたが私の事とわかると安心して再び食い出した。

「ち、ちなみにどのくらいまで?」

「そうだね……私ぐらいかな」

母も最近ダイエットを始めたみたいでスリムな体型がより引き締まっていた。

(無理無理…)

しかし一度私が口にした事を無かった事にさせない、甘やかさない厳しい母のおかげで私は奮起してダイエットに励み中学3年生には標準体重まで落とした。

そして、ダイエットと合わせて身長を伸ばそうと必死にストレッチや体操などをして身長も高校2年現在は160cmまで伸びた。

そして、運良く落ちたのは体重のみでバストは残り、みんなに羨ましく思われている。

つまり私は涙ぐましい努力の末、フジコちゃん体型を手に入れたのだ!
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