Mazzo d'amore
「あははははははは!やばい!おもろい!おもろい!」

散々笑い散らかし落ち着いた私。

ガシャーン!!

「俺をなめんとんか!そのガキをここに連れてこんかい!」

ふと冷静になるも菜音くんのお父さんの怒り狂い止まる気配がないので私は翼先生に電話して助けを求めた。

20分程して駆けつけた翼先生がお父さんを必死に止めようやく落ち着いた。

部屋は窓ガラスやテレビ、皿なども割れ荒れ放題だった。

お父さんは食器棚のガラスを殴って割ったせいで腕から血を流していた。

お母さんも手を出されたみたいで血は流してはないものの顔を抑えてうずくまり泣いていた。

「ここは俺に任せてお前たちは先に行けとは言えなかった、無理だった」

当時の感想を子泣き爺はそう語っていた。

相当怖かったらしい。

それなのに笑ってごめんって思った。

とりあえず、その日は菜音くんはウチの家に泊まりに来てもらい、菜音くんの両親、父、翼先生で話を進める事となった。

正直父は役に立つ気配が見当たらなかったが帰るタイミングを失ったのかその場に留まってしまった。

「挨拶が遅くなりました。この度はご迷惑をお掛けしました。大変申し訳ありませんでした」

お盆になり、我が家を菜音くんの両親が暑中見舞いにと手土産を持って挨拶にきた。

2人共笑顔は全くなく疲れ切った顔をしていた。

菜音くんのご両親は結局、離婚をする事となり菜音くんはお父さんの所に着いて行く事となった。

そしてパン屋のお店は閉店し夏休みが明ける前に挨拶する事なく転校して行った。
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