Mazzo d'amore
「4月2日生まれにどうやったって同じ学年の奴は敵いっこないじゃん…稜くんの事が好きなの?」

「え!稜くんの事は好きっちゃ好きだけど…」

「じゃあ、稜くんに勝ったら付き合ってよ!」

「えぇ!?」

ちなみに稜くんはアマチュアで良い戦績を残しプロデビューした。

プロデビュー戦、親が有名人と言う事もあり多くのメディアが注目し、また一部からも批判が生まれていた。

けれどそんなプレッシャーにも負けず対戦相手を1R、KO勝ちをおさめて周りの声を黙らせた。

また端正な顔立ちで多くの女性から人気が生まれジムに通い出す女性が爆発的に増えた。

「じゃないと俺の長い恋が報われないんだ」

「んー、じゃあ考えとく」

「ほんとに!?約束ね」

「え!待って!考えとくよだよ」

私がそう言ったけど元気よく菜音くんは帰ってった。

それから、月日が過ぎ菜音も着々と戦績を上げ翌年プロデビューをした。

プロデビュー戦も緊張してる素振りは全く見えず開始わずか30秒でKO勝ちをおさめた。

その後も、稜くんも菜音も互いに勝ち星を重ねて行くうちに二人の対戦を熱望する声が周囲から上がっていった。

「年末、対戦出来たら嬉しいなって思います。上島選手は格上ですが胸を借りるつもりではなくやるからには勝たせて頂きます」

「そうですね、周りの人達の声もありますし、僕も対戦出来たらなと思いますね。まあ渡辺選手には負ける気しませんが」

お互いインタビューでバチバチ火花を飛ばしていた。

私はテレビを見るも

(ヒィーーー)

と、震えていた。
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