一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを





「お母さん、どうかな?」



自分で着付けてみたから、上手くできたか心配でお母さんに確認してもらう。



「あら、いいじゃない!とっても似合ってるわよ」



アイボリーの生地に、ピンクとパープルのお花がデザインされた浴衣。


そしてそれに映える黄色い帯。


友香ちゃんがどう?と勧めてくれたものだけれど、私もとってもお気に入り。


白っぽい浴衣を着るのは初めてでわくわくしていた。



「やっと瑠莉にも素敵な人ができたのね」


「へっ?」


「隠してるみたいだけど、今日は男の子と行くんでしょう?」



まさかお母さんには全てバレていたなんて……


それはそれで恥ずかしい気持ちになる。


でも嘘はつきたくなくて縦にうんと頷いた。



「私を守ってくれるヒーローみたいな人なの」



一言で言えば、琥珀くんはそんな人。



「良かったわね。お母さんも安心よ。お兄ちゃんには適当に言っておくから今日は楽しんで来なさい」


「ありがとう、お母さん」



お母さんは最大の味方だ。


多分お祭りに行くことがバレたら、過保護のお兄ちゃんのことだから心配して止めてくるに決まってる。


今日はどうしてもお祭りに行きたいんだ。


自分の気持ちを確かめるためにも。




< 141 / 207 >

この作品をシェア

pagetop