一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
その後お母さんにヘアセットをお願いして、編み込みアップヘアにしてもらった。
一緒に買った花飾りもつけてもらって準備はオッケー。
琥珀くんとの待ち合わせは、今日も学校前。
楽しみな気持ちと不安な気持ちが入りまじる。
琥珀くんがいるからきっと大丈夫と思っていても、やっぱり恐怖心も残っていた。
大丈夫。
琥珀くんの言葉を信じよう。
“絶対俺が守ってやるから心配すんな。楽しいことだけ考えてればいいじゃん?”
そう言ってくれたから。
楽しみなことだけを考えよう。
きっと何とかなるはず。
せっかく誘ってくれたのに楽しまないのは損だよね。
「行ってきます」
お母さんにそう告げて家を出た。
夏祭りの本番は夜。
今はまだ夕方の5時前。
少しずつ日が傾き始め、夜が近づいてくる頃。
学校まではそんなに距離はない。
少々歩きにくい下駄ではいつもより時間がかかってしまった。
校門前には見慣れない琥珀くんの姿があった。