一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



その後お母さんにヘアセットをお願いして、編み込みアップヘアにしてもらった。


一緒に買った花飾りもつけてもらって準備はオッケー。


琥珀くんとの待ち合わせは、今日も学校前。


楽しみな気持ちと不安な気持ちが入りまじる。


琥珀くんがいるからきっと大丈夫と思っていても、やっぱり恐怖心も残っていた。


大丈夫。


琥珀くんの言葉を信じよう。



“絶対俺が守ってやるから心配すんな。楽しいことだけ考えてればいいじゃん?”



そう言ってくれたから。


楽しみなことだけを考えよう。


きっと何とかなるはず。


せっかく誘ってくれたのに楽しまないのは損だよね。



「行ってきます」



お母さんにそう告げて家を出た。


夏祭りの本番は夜。


今はまだ夕方の5時前。


少しずつ日が傾き始め、夜が近づいてくる頃。
学校まではそんなに距離はない。


少々歩きにくい下駄ではいつもより時間がかかってしまった。


校門前には見慣れない琥珀くんの姿があった。




< 142 / 207 >

この作品をシェア

pagetop