一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
お祭り会場は案の定混雑していた。
簡単に琥珀くんとはぐれてしまいそう。
琥珀くんから離れないよう後ろを着いていく。
そしてあるところで琥珀くんは立ち止まった。
「どうしたの?」
「あれとか好き?」
琥珀くんが指さしたのはフルーツ飴の屋台。
定番のりんご飴ではなく、いちご飴と書かれた旗が立っていた。
「うん、いちご飴好き」
食べたのもだいぶ前だけれど、いちごは大好物。
ケーキだってショートケーキがあれば迷わず選んでしまうほどのいちご好きだ。
「じゃ行こ」
フルーツ飴屋さんに歩いていく琥珀くんの後ろを着いていく。
「いちご飴ひとつ」
「まいどー」
いちご飴、ひとつ400円。
琥珀くんが払ってくれた。
「はい」
「琥珀くんはいいの?」
「俺は甘いの苦手」
そっか、そうなんだ。
琥珀くんは甘いものが苦手。
またひとつ琥珀くんの秘密を知ることができた。
みんなは知らないでしょう?