一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



お祭り会場は案の定混雑していた。


簡単に琥珀くんとはぐれてしまいそう。


琥珀くんから離れないよう後ろを着いていく。


そしてあるところで琥珀くんは立ち止まった。



「どうしたの?」


「あれとか好き?」



琥珀くんが指さしたのはフルーツ飴の屋台。


定番のりんご飴ではなく、いちご飴と書かれた旗が立っていた。



「うん、いちご飴好き」



食べたのもだいぶ前だけれど、いちごは大好物。


ケーキだってショートケーキがあれば迷わず選んでしまうほどのいちご好きだ。



「じゃ行こ」



フルーツ飴屋さんに歩いていく琥珀くんの後ろを着いていく。



「いちご飴ひとつ」


「まいどー」



いちご飴、ひとつ400円。


琥珀くんが払ってくれた。



「はい」


「琥珀くんはいいの?」


「俺は甘いの苦手」



そっか、そうなんだ。


琥珀くんは甘いものが苦手。


またひとつ琥珀くんの秘密を知ることができた。


みんなは知らないでしょう?




< 144 / 207 >

この作品をシェア

pagetop