一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



甚平姿の琥珀くん。


紺色の甚平がとっても似合っている。


かっこいい……とさえ思ってしまった。



「ごめん、お待たせっ」



時間通りには着いたはずだけれど……琥珀くんを少し待たせてしまっただろうか。



「いや、別に」



きっと待っててくれただろうに、そんなことをは何も言わない琥珀くん。


やっぱり琥珀くんは優しい。



「じゃあ行くか」


「うん」



2人並んで歩く。


今日行くお祭りはこの辺でもとても大きなお祭り。


私たち以外にもたくさん浴衣や甚平姿の人がいた。


行先はみんな一緒だから、ぞろぞろと歩く。


友達同士の人もいればカップルだっている。


もちろん仲良く手を繋ぐ人たちだって。


琥珀くんは私と手を繋ぎたいと思ってるのかな?


それとも私が男性恐怖症だってことを知っているから遠慮しているのかもしれない。



「はぐれたら困るから離れんなよ」


「うん、わかった」



そうは言いつつもずっと琥珀くんとの間には一定の距離がある。


ほら、やっぱり。


琥珀くんは遠慮してる。




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