一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「歩けるか?ダメならおぶる」


「ううん、大丈夫」



少し休憩して、手当もして貰えたから楽になった。



「取っておきの場所この奥にあるから」



琥珀くんは花火を見るための取っておきの場所を知っているらしい。


琥珀くんが勧めてくれる場所なら、私も行きたい。


ベンチから立ち上がる。


立ち上がったのに琥珀くんは進もうとしない。


どうしたんだろうと首を傾げていると、琥珀くんの左手が差し出された。



「はぐれたら困るから、手、繋いでもいいか?」



私に触れていいかどうかの確認。


さっきおぶってもらったくらいだから今更の質問なのに。


きっと琥珀くんはすごく私のことを気にしてくれている。


なんでだろうね。


男の人はまだ怖いけど、琥珀くんなら大丈夫なんだ。



「うん、いいよ」



繋がれた右手と左手。


久しく誰かと手を繋ぐなんてしていないから、なんだかぎこちない。




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