一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



琥珀くんも強くは掴まず、軽く握ってくれていることに優しさを感じる。


大丈夫だよという意味も込めて、琥珀くんの左手をギュッと握り返した。


するとピクリと体を揺らす琥珀くん。


驚いた顔でこちらを見ていた。



「大丈夫」



一言そう言うと、ギュッと握り返してくれた。


それになんだか幸せな気持ちになる。


何か気持ちが繋がったような。


そんな感じ。


周りを歩くカップルと同じように繋がれた手。


もしかして、周りの人には私たちもカップルのように見えているだろうか。


もしそうなら、嬉しいかもしれない。


歩幅を合わせて歩いてくれる琥珀くん。


しばらく歩いて、人気がだんだんと無くなってきた。


少しだけ足場の悪い道を行くと、生い茂っていた木々が無くなり、開けた場所に着いた。



「わぁっ……!」



整地はされていないけれど、高台のこの場所からは下に広がる街並みも上に広がる夜空も、とても綺麗に見える場所だった。




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