一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



手を離して解放してくれたものの、友香ちゃんの目からは逃れられそうにない。


一体どういうことなのか説明して、という友香ちゃんの心の声が口に出しているわけでもないのに聞こえてくる。


友香ちゃんに嘘はつけない。



「えっと、実は……」



天地くんのヒミツの隠れ家をバラすわけにはいかず、そこだけを伏せて友香ちゃんに話すことにした。


学校からの帰り道。



「えぇっ!?本当に?アイツが……?」



そんな驚きの声が住宅街に響き渡った。



「ちょっと、友香ちゃん声がおっきいよ」


「あ、うん、ごめん……予想外すぎてびっくりして」



確かに驚くことも無理はない。


私だってびっくりしたんだから。



「アイツが勉強教えてくれるなんて……」



かなりの衝撃だったのか、私と別れるまでずっとそう呟いていた。



「見かけによらず優しいとこあんじゃん」


「うん、天地くんは悪い人じゃないよ」


「未だに信じられないんだけどねぇ…」



やっぱり幻なんじゃないかと頭を悩ませる友香ちゃんだったけれど、少しずつ天地くんに対する見方が変わってきているのかもしれない。




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