一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



それから、今保健室の先生が職員室まで行って家に連絡を取りに行ってくれていると琥珀くんは教えてくれた。


何度か具合が悪くなって保健室にはお世話になっていたから、私の症状は先生も知っている。


今日は倒れてしまったから、きっと誰か迎えに来た方がいいと判断してくれたんだろう。



「なぁ」



一通り状況を説明してくれたあと、ひと呼吸を置いて口を開いた。



「何、琥珀くん?」



不思議だね。


さっきまで中野くんと話していたのは怖かったのに。


琥珀くんだって同じ男の子なのになぜか怖くない。


なんでだろう。



「男が怖いのか?」


「……!」



そんなストレートに聞かれるとは思わなかった。


琥珀くんの目の前で倒れてしまって、介抱もしてくれたんだ。


琥珀くんには聞く権利がある。



「ちょっと、過去にいろいろあってね……」



私は頷いてそう答えた。


詳しくは説明したくない。


思い出したくないから。



「そ」



返ってきた言葉はその一言だけで、それ以上何か聞いてくることはなかった。


聞いて欲しくないっていうのが伝わったんだろうか?


でもその気遣いが嬉しかった。




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