一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「なぁ、俺も怖いか?」
「えっ?」
スタンプに気を取られていると上から声が降ってきた。
男性恐怖症であることを認めたからだろうか?
琥珀くんは、確かめるかのように聞いてきた。
琥珀くんが怖いか。
怖いか怖くないかと聞かれると、男の子はみんな怖い。
でも───
「琥珀くんは……他の男の子よりも大丈夫かもしれない……」
みんなから恐れられているはずの琥珀くん。
私だって最初は怖かった。
でも今なら大丈夫な気がするんだ。
触れ合っている訳でもない。
何かを察して少し離れていてくれている琥珀くん。
それでも同じ空間で、お互いに手を伸ばせば触れられそうなくらいの距離にいるのに私の体は震えていない。
呼吸だって落ち着いている。
だから、きっと大丈夫。
「なんかあったら連絡して。すぐ助けに行く」
琥珀くんはそう言い残して、もうすぐ先生帰ってくるだろうからと出て行ってしまった。
ほら、琥珀くんはとても優しい。