一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



保健室に一人ぼっちになってからも、しばらくスタンプの送られた琥珀くんとのトーク画面を見つめていた。


高校生になってから初めて異性の連絡先が琥珀くん。


この連絡先が私にはなぜか特別なもののように感じた。



「あら、相沢さん起きてたのね」


「あ、はい。ついさっき起きました」



席を外していた先生が戻ってきた。



「天地くんはもう帰っちゃったの?」


「はい、私が起きたのを確認して、先生が戻ってくる少し前に」


「そっか。天地くんが相沢さんのこと運んできてくれたのよ?しかも、お姫様抱っこで!先生、何だかキュンキュンしちゃった!青春っていいわねぇ……」



思い出すようにそう話す先生はなぜか楽しそうで、私は苦笑いをするしかなかった。


やっぱりここへは琥珀くんが運んでくれたんだね。



……それよりも、お姫様抱っこって言った?



てっきりおぶってきてくれたと思っていた。


琥珀くんがお姫様抱っこをしてくれていたなんて……意識がなくて全く覚えていないけれど、想像するだけで恥ずかしい。


なんだか体が暑くなった。




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