一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「瑠莉、今日お母さんにお使い頼まれてたんだよね?」
「あ、うん、そうなの……だから、ごめんね」
友香ちゃんからベストタイミングの助け舟。
本当はお母さんからお使いなんて頼まれていないけれど、断るための口実を作ってくれた。
「瑠莉ちゃんもダメかぁ………ちょっとショックだわ。また今度誘うよ」
遠藤くんは悲しみの笑顔を浮かべながら、ヒラヒラと手を振ってグループの元へと帰って行った。
「はぁ……」
体が硬直するほどの緊張感から解放された私は、静かに大きく息を吐いた。
「よく頑張った」
私が極度の緊張感に潰されそうになっていたことに気づいていた友香ちゃんは、優しく背中をさすってくれた。
「助けてくれてありがとう、友香ちゃん」
「親友なんだから当たり前でしょ?ちゃんと断れたのは瑠莉なんだから本当頑張ったよ。……それにしても」
友香ちゃんは、私に続いて大きくため息をついた。
そんなに気分を害することをしてしまっただろうか?
それなら早く謝らなければいけない。
私の態度?言葉?
思い返すも思い当たることが見つからない。