一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「こ、ここじゃダメかな?」
告白だとしたらこんなところでするわけないだろうけれど、まだクラスメイトが残っている教室というこの空間なら何とかやり過ごせる。
「うーん、ちょっと俺も恥ずかしいから……ほんのちょっとでいいからお願いできないかな?」
押しにはかなり弱い私。
断りきれずに、遠藤くんの後ろをついて行くことになった。
私たちの間には微妙な距離感。
近づこうとする遠藤くんと遠ざかろうとする私の攻防戦。
1人、また1人と人が居なくなって、人の気配が無くなっていく。
連れてこられたのは校舎裏の非常階段。
この学校での告白スポットだ。
私の勘はやっぱり間違ってはいなかったみたい。
校舎裏に男の子とふたりきり。
足がガクガクする。
呼吸が浅くなる。
過呼吸になってしまわないように、意識して深呼吸するのがやっと。
早く。
早くここから逃げないと。