モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
「俺だったら莉愛ちゃんのこと泣かせたりしない。だから…はやく俺を好きになりなよ」



蒼井くんの長い腕が伸びてきてわたしの後頭部に添えられて、引き寄せられる。



あ……これって…

って思ったけど、拒む力なんか残ってなくて身を預けた。


あとちょっとで距離がゼロになるとき_



「なーんてね、冗談だよ」って、パッと離された。



び、ビックリしたぁ。
てっきりキスされるかと思った…!

今だに落ち着かない心臓を宥めるように、上から手を置いた。



フワッ

シトラスの香りがすぐ横で感じられる。



だって、蒼井くんの顔がすぐ横にあるんだもん。


「この続きは莉愛ちゃんの気持ちが俺のものになったらね」



ー…ドクンって心臓が跳ねた。

今までのあの優しい蒼井くんとはちょっと違くて、なんていうか「大人」だった。



「っ」


恥ずかしくて顔を俯かせる私の頭をポンポンって叩く。
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