数分間だけ。
数分間だけ。
起きたら、まだ辺りは暗くて日も昇っていなかった。

冬だからか空気が澄んでいて星がよく見える。


「…………っ」


目の前には、私の彼氏である令秋くんが気持ちよさそうに寝ていた。

ああそういえば、今日泊まりに来るっていってたっけ。


綺麗で整った顔立ちに、形のいい鼻。

令秋くんは、私にはもったいないくらい格好よくて優しい。

そんな彼は、小学生の頃から当然のように人気があった。


今だって、彼の大学にたまに行ってみると、女の子によく話しかけられているのを見る。


みんな私より可愛くて、スタイルもよくて、美人さんだ。

令秋くんのことはもちろん大好きだけど、本当に私なんかでいいのかな……って思う。


最近は課題とかで忙しくてまともにデートもできてないけど、こうやってたまにお泊まりするのも好き。

でも二人で話すこともほとんどなくベッドに入った。



私、彼女としてこのままでいいのかな。

ちゃんと私、令秋くんの彼女やれてるかな。

こうやってすぐ弱気になっちゃうのも、変えなきゃなって思ってるんだけどなぁ……。
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