Rainbow Moon 〜操遇〜
〜対策本部〜
17:00 を過ぎた頃。

「では、千種駅前事件の会議を始める、各班調査報告を」

三上本部長が指揮をと…る…かに思えた。

「待ってよ!」

「何だね、また君か」

うんざりしながら富士本を見る。
それを感じてか、目を閉じてうなずく。

「何だね?言ってみろ」

「言って見ろって何よ!その上から目線は!」

…明らかに上様である。

「まずは、七海の捜索状況が先でしょ!銃を持った15才の少女が街にいるのよ。まだ見つけらんないの?」

「所轄の刑事や消防を総動員して探していますが、未だに足取りはつかめていません」

「だいたい、拘置所から逃げられるなんて、ありえないし❗️」

「咲、それぐらいにしてくれ。元所長が撃たれて重症の上に、拘置者が死んだんだ。まさかあの娘が逃げるなんて、考える余裕は無かったんだろう」

咲も良く分かってはいた。
だからこそ自分が歯痒かった。

(私が…七海が普通じゃないこと、危険な存在であることを、早く伝えていれば…)

「行方不明者としてなら、写真出せるんじゃないですか?」

「昴、それでもダメなんだよ。それに、銃を所持してるんだ、うかつに近付く危険は避けなきゃならん…」

先の読めない展開に惑わされる捜査本部。

「でも…なぜ千佳が七海を?」

「そこなんですよ。実の娘ではないとしても、抱きついて来た少女に、銃を向けて撃ちますかね普通?」

事故現場といい、現場へ行った捜査員が、理解を超えた千佳の行動に苛立つ。

「違う…みんな間違ってるわ!」

思い切って咲が否定した。

「千佳が撃ったのは、七海じゃない」

「えっ⁉️」

誰もが驚き、同時にその事実を思い知った。

「た…確かに…」

「咲、おまえまさか?」

「あの事故現場で彼女に会ったのは、実は二回目だったの」
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