エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


『考え方を変えたんだ』
『前は働く気がなかったし、父が勝手に決めた人と結婚したくなかったんだもの』

ふたりの関係は、ニューヨークで成功したかった煌斗と父親の言いなりで結婚したくなかったジェニファーとの契約で成り立っていた。

だから別れる時も婚前契約書を取り交わしていたから金銭的になにも問題なく、あっさりとしたものだった。

『今度、東京の大きな会社の本社ビルが売り出されるそうね』
『ああ……』

さすがに父親が大手の会社を経営するだけあって情報は早いようだ。

『それが欲しいの。協力してもらえないかな?』

ジェニファーは、おもちゃを欲しがるように簡単に言う。

『諦めたほうがいい』
『どうして?』

『俺が向こう(ニューヨーク)へ行った頃はリーマンの後で不動産が暴落していたからなんとかなったが、今は投資するにはリスク高すぎる』

「だから、アナタに頼んでるんじゃない」


ジェニファーは、ゆっくりとセクシーに煌斗へ向かって歩いてきた。

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