エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


優杏が応接室の前まで行くと、クンといつもの香りがした。

(この香水は……このところ煌斗さんから匂うものだ)

「失礼します」

ノックして中に入るとソファーにゆったりと座る女性がいた。

その人から漂う香り。
煌斗は毎日のようにこの女性と会っているのだろうか。


『どちら様でしょう』
『はじめまして、ジェニファー・マッケンジーです』

『マッケンジー……』
『アキトの妻って言えばわかるかしら』

挑戦的な物言いをする人だった。彼女は、元妻とは言わなかった。

(この人が、煌斗さんの奥様だった人……)




< 173 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop