エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
優杏が応接室の前まで行くと、クンといつもの香りがした。
(この香水は……このところ煌斗さんから匂うものだ)
「失礼します」
ノックして中に入るとソファーにゆったりと座る女性がいた。
その人から漂う香り。
煌斗は毎日のようにこの女性と会っているのだろうか。
『どちら様でしょう』
『はじめまして、ジェニファー・マッケンジーです』
『マッケンジー……』
『アキトの妻って言えばわかるかしら』
挑戦的な物言いをする人だった。彼女は、元妻とは言わなかった。
(この人が、煌斗さんの奥様だった人……)