OL 万千湖さんのささやかなる野望
「いい家だな」

「うん、そうだね。
 ありがとう。

 なんか怒涛のうちに建っちゃって、実感ないんだけど」
と万千湖が苦笑いすると、純がこちらを見て言う。

「お前は毎度、ビックリなやつだよ。
 いきなり、ご当地アイドルになったり。

 いやまあ、なったときは、そんなに驚かなかったんだがな。
 所詮、商店街のアイドルだったし。

 でも、全国的に人気になったり。
 そうかと思えば、いきなり普通のOLになったり。

 充分驚いてるところに、今度はすごい家を当てて、すごい旦那を連れてきた」

「いや、課長は別に旦那じゃないし。
 一緒に家を買ったその……

 シェアハウスの人みたいな人って言うか。

 ……連帯保証人みたいな人って言うか」

 万千湖は照れて、駿佑が、誰が、連帯保証人だっ、と激怒しそうなことを言ってしまう。

 だが、純は笑い、万千湖の左手を取った。
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