OL 万千湖さんのささやかなる野望
 庭……。

 いや、まだ、庭というより、グラウンドみたいな感じで、一面の土でしかないのだが。

 純が大きく伸びをして、道路の向こうの山を見上げ、
「いいところだなあ。
 なんにもなくて。

 空気も綺麗だし」
と言う。

「そうだねー。
 ちょっと不便ではあるけど。

 あっ、でも、実は西に向かって走ってると、何故かいきなり、山の中にコンビニがあるんだよ。

 狸がやってんのかと思ってビックリした」
と万千湖は笑う。

「あるな、たまに山の中にいきなりコンビニ。
 でも、そういうとこって、高速の近くだったり、街と街とをつなぐ道だったりして、意外と交通量多いんだよな」

 そう言ったあとで、純は家を振り返り、しみじみと言う。
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