OL 万千湖さんのささやかなる野望




 駿佑が窓の外を見ていると、万千湖がひとりで先に戻ってきた。

 いきなり、
「純くん彼女がいるそうです」
と報告してくる。

 彼女? そりゃいるだろう、と駿佑は思っていた。

 純は、アイドル、マチカの従兄なだけのことはあって。

 長身でイケメン。
 しかも、人も良さそうだった。

 だが、彼女がいたらなんなんだ、と駿佑は思っていた。

 純に彼女がいるかどうかに興味がない、という意味ではない。

 ……だって、まだ、その彼女と結婚が決まっているというわけでもないんだろう?

 彼が、お前より、その彼女の方がいいと一生思っている保証でもあるのか。

 いや、あの感じがよくて、自分も知らない白雪の今までを全部知ってそうなあの従兄が。

 いつか白雪を好きになろうと。

 白雪が彼を好きになろうと。

 まあ、俺にはなんの関係もないことなんだが……。

 そう思ったとき、万千湖が言った。
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