ハロー、愛しのインスタントヒーロー
非の打ち所がないように見える優等生。それは彼の表向きな顔だ。
三年生になるまで同じクラスにならなかったから、今まで一言も話したことはない。生徒会長ともなればさすがに有名人だし、名前と顔は知っていた。
色んな人と関係を持ったことが原因で、実は私もちょっぴり有名人なのだ。頼めばすぐやらせてくれるとか、その他諸々、あまり大きい声では言えないような内容が付随しているけれど。
日比野くんは私と正反対で、品行方正、という四文字がよく似合う人だった。
絶対に関わることなんてないと思っていたのに、今朝机の中に入っていたのは確かに彼からのメモだった。
『放課後、俺と遊びませんか』
自分の目を疑った。でも実際、彼はさりげなく私と同じバスに乗り込み、うちの制服を着た人が完全にいなくなったタイミングで、私の隣にやってきたのだ。
「これ、みんなには内緒ね。バレたら俺、生徒会長やってられなくなっちゃうから」
「そこまでして生徒会長やる意味が分かんないけど」
「いやぁ、常に人の上には立っていたいでしょ? そのためには権力って一番便利なんだよね」
「最悪」
「照れるね」