【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「そうだけど、やっぱり悔しい。雅」



寝転がっていた稲葉は雅がいる方を向いて、起き上がりまっすぐその目を見つめる。



「ん?なーに?」





「もう少しそっちに寄っていいか?」





「いいよ」



雅はふっと微笑んだ。稲葉は雅に近づくと肩に顔をうずくめさせてすりすりと擦り付け始める。




時々当たる髪の毛がくすぐったい。雅は稲葉の頭を優しく撫で始めた。




気持ちよくなった稲葉はそのまま雅の膝に寝転がり、完全なリラックスした姿になった。




渉はあれから私に甘えることが多くなった。






それはまだ不安で仕方ない気持ちからだと思う。






「雅の膝で寝ている時が一番落ち着く。…こんな自分が情けない」






「そんなことないよ。渉が不安になっていたら支えるのが私だし。それに、こうやって甘えられるの嫌いじゃないよ」




私がいつも甘えている分、甘えて欲しいって思うのはいつものこと。




だから今、こうやって甘えられるのはとても嬉しいよ。




「むしろ好き?」






「うん!」
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