禁忌は解禁された
「フフ…冗談だよ!」
「へ!?」
「確かにまだ俺は、銀二がいねぇと仕事難しいからな!
井田も、護衛に関しては完璧だし」

一颯の頭をポンポンと撫でる、颯天だった。

デパ地下に着き、颯天と一颯は指を絡めて繋ぎ、銀二は二人の後ろを歩いている。

「つか!平日なのに、多くね?」
「そう?日曜日はもっとだよ」
「マジか!?一颯、潰されるんじゃね?ちっちゃいし」
「は?酷っ!!」
「フフ…可愛い~」

「━━━━これが颯天で、こっちが銀くんでしょ。
これとこれが、井田くん達で……あ、こっちは暁生くんだな」
「てか、一颯」
「ん?何?」
「人のばっかだな。自分のは?」
「あ、そうだね(笑)
じゃあ、これだな!買ってくるね!二人はここにいて!」
レジに向かう一颯を見つめる、颯天と銀二。

「母さんみたいだな」

「え?姫ですか?」
「うん。
母さんも……いつも親父や、俺や一颯や組員のことばっかだった。自分のことは二の次で……」
「そうですね。とても……優しくてよく私達のことを見ててくれて、ちょっとした変化にも敏感に気づいてましたね!」
銀二の表情が、優しく穏やかになる。

「銀二ってさ」
「はい」
「やっぱ、母さんに惚れてたの?」
「は?」
「銀二が母さんのこと話す時、いつも優しい表情(かお)になるから」

「…………はい。大切な人でした」

「そう…
あのさ━━━━━━」
「お待たせ~行こう!」

「あ、うん!何処行こうか?」
自然に手を繋ぐ、颯天と一颯。

「姫、お荷物お持ちしますよ!」
「え?いいよぉー!このくらい、自分で持つよ!」
一颯の手から袋を取ろうとする銀二。
一颯は手を引っ込めながら言った。

「でも、これも私の仕事です」
「…………銀くん」
「え?」
一颯は颯天から手を離し、銀二に向き直った。

そして銀二の肩に両手を置いた。

「もう少し、肩の力抜いていいんだよ?」
「え……ひ、姫……!?」
「銀くんはとっても器用で、凄く尊敬できるお兄さんみたいな人だけど……頭が固すぎるよ!
そうゆうのは、暁生くんや井田くんを見習うといいよ!」
「………」

「たまには、パーッと弾けたりとか!ね?」

【銀二、たまには遊びに出掛けていいのよ!
貴方だって、ゲームセンターとか行きたいんじゃない?同世代の子みたいに、はしゃいだりとかしなさい!それに……少し位なら、悪いこともしていいのよ(笑)!】

「ほんっと……貴女がたは………」
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