辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
真っ直ぐに伝えられたその言葉に、私は何も言えずにただシルバーブルーの瞳から視線を外すことができない。

「私は……」

憎むことでこの人の存在を消していた。だから今そう言われても、「そうですか、わかりました」そんなことを言えるわけがなく視線を彷徨わせた。
それでも、真っ直ぐに伝えられた言葉に、心が揺さぶられるのがわかる。

二年前の悲しさ、辛さ、アンネを一人で産んだ苦労、それを忘れることはできないし、目の前の人を信じることが怖い。

それでもきちんと話してくれたのだから、私も話すべきだと殿下を見た。

「殿下、一つだけ確認をよろしいですか?」
「なんだ?」

まだ私の手を握ったまま、膝まづいている彼に問いかける。

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