辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「婚約者様はどうされるのですか? もしも、私を妾などとおっしゃられるなら、このまま何も知らなかったことにしていただきたいです」
ソフィーと一緒に暮らすなどありえないし、あの妹が私とアンネを認めるわけがない。

「婚約者?」
色々なことを考えていた私だったが、冷たくなった彼の声にビクっと肩を揺らした。

「この地までそのような噂が伝わっているのか」
私の手を放し、殿下は髪をかき上げると、大きくため息をついた。

「婚約など俺は認めていない。ずっと前線で戦い続ける俺に痺れを切らせて、母上がどこからか相手を見つけてきただけだ。俺はきちんと断りを入れている」

その言葉に驚いてしまう。ソフィーは断られていたのか。
一度言葉を止めた後、殿下はまた口を開く。

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