辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
こうして三人で過ごす時間があるのなら、彼のことを知ってからそう思ってしまう。臆病な自分に嫌気がさしてしまう。

こんな私の考えを知ったら彼は怒るだろうか。
でも、もう少しだけ時間が欲しい。

そう思いながら彼をチラリと見れば、アレックス様も私を見ていてドキッとしてしまう。しかし、今までとは違う少し緊迫した雰囲気に私はゴクリと紅茶を飲み込んだ。

「今日、この後一人で森に行ってくる」

え? 一人で?

危険しかない森へ一人で行くなど、二年前と同じく自殺行為だ。

「どうして……」
ただ漏れていたその声は、音になっていたか自分でもわからなかった。

危うくフォークを落としてしまいそうになり、私は呼吸を整えるように息を吐いた。

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