辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「二年前のこともそうですが、王子殿下ともあろうお方が、一人で行動などよろしいのですか?」
普通に考えてありえない彼の行動に、私はじっと彼に視線を向ける。

「ダメだろうな」
あっさりと言った彼は、小さく息を吐いた。

「フェリーネ、この国は平和だと思うか?」
この国の人間ならば当たり前のことに、ただ無言でうなずいた。
広大な土地と豊かな資源に守られた美しい国。誰しもがそのことを疑ってはいないだろう。

「この国の秩序はずっと魔力で守られてきた。しかし、いつの時代も絶対的な力に背く人間が現れる」
言いたいことがわからなくて、私はただその話を聞いていた。

「王弟であられるフォルク殿下がずっと、国王の座を狙っている」
そんな国の重大な秘密を聞いてもいいのかと、私は驚いて目を見開く。

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