辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「クラリスも、講師達も本当に教えることがないぐらい、呑み込みが早いと褒めていた。それを聞いて嬉しい反面、こんな世界に来させてしまってよかったのかと考えていた」
その言葉に私は自分のことを話すならば今しかないと思う。この王都に戻ったのも、どんな形になろうがアレックス様についてくると決めたのは自分だ。
「アレックス様、私が決めたことです。気に悩むことはありません」
少し笑って見せれば、いつも表情を崩すことなく完璧で、冷静に指示を出している人と同じとは思えないほど、不安な瞳がそこにはあった。
「本当に?」
「はい」
「冷徹だとか、命知らずとか、いろいろ言われてきた俺が、フェリーネとアンネのことになるとどうしても感情を制御できないな」
最後は苦笑するように彼は言うと私を見た。