辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「隠していて申し訳ありません。でも、私は追放された身です。初めはお話する理由はないと思ったのです」
「それは怒っていないよ」
その優しい声音に私は安堵して、また涙があふれる。

「怒っているとしたら自分に対してだ。そんなにつらい思いをしたフェリーネに、さらに俺が苦労を掛けてしまった」

「そんなことは……。あの時のことは私が望んだことです。アレックス様は何も悪くありません」
帰ってきてくれなかったと恨んでしまったこともあるが、お互い同意の話で、アンネのことを知らなかったのだから仕方がない。

「もしサバティーニ家がフォルク大公に加担していれば私は……」
そう伝えた私に、アレックス様はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

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