辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
私の話をどんな感情で聞いたかはわからないが、アレックス様が問いかける。

「いえ、父も義母もソフィアも、屋敷の人たちすべてです」

「今の伯爵夫人は確か愛妾だった方か……」
思い出すようにアレックス様は言うと、大きく息を吐いた。

「十五の時母が亡くなり、それまでも父からかわいがられていたわけではありませんが、そこからは侍女以下でした。そして最後には何か不都合があったのでしょう。アレックス様が知っての通りです」
これで隠していることは何もない。アレックス様にどんな処罰をされても仕方がない。そう思っていた私だったが、不意に温かい腕に包まれる。

「辛かったな」
まさかそんな言葉をかけられるとは思っておらず、私は驚いて目を見開くも今までの緊張の糸が切れたように涙が零れ落ちる。

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