辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
何とかそれだけを言った私だったが、急に空気が張りつめたのがわかる。

「さあ、お前たち。決着をつけようぞ」
国王様の声に、今まで笑っていたアレックス様たちの表情が変わったのがわかった。



ファンファーレの音が鳴り響き、皆様が出ていく背中を私は祈る思いで見送った。

国王様たちのもとへたくさんの挨拶をする人たちの声が聞こえてくる。
そっと私はその様子を盗み見る。

アレックス様の魔法でこちらからは向こうが見えるが、あちらからは見えないようになっている。久しぶりに見た父とソフィアの姿が目に入り、私はビクリと肩が揺れた。

「国王様、ならびに王妃様、ご機嫌麗しゅうございます」
白々しくも聞こえる父の声が、今まで以上に冷たく感じてしまうのは気のせいだろうか。

「サバティーニ、久しいな」
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