辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
義母と異母妹からの軋轢は日に日に激しくなり、とうとう私は、この辺境の地へと一人追いやられた。
もちろん、援助など一切ない。掃除も料理もすべて自分でやるしかない。与えられたのは、台所と寝所だけがある粗末な小屋。
だが――。
それでも、ずっと心を殺し、義母たちの冷たい視線に耐える日々より、今のほうがはるかに心が安らぐ。ここでなら、私は私のままでいられる。
今の生活は、森のすぐそばにあるこの小屋を拠点に、昔屋敷で学んだ薬草の知識を生かし森の草花から薬を作ること。出来上がった薬草は町の商人に売ってもらい、なんとか生計を立てている。
森の異変が始まってから、人々は森に近づかなくなった。そのおかげで、薬草の需要は増え、少しずつではあるが安定した収入を得られるようになった。
二十一歳――。
本来なら貴族の令嬢として、ドレスをまとい、夜会に出席し、結婚相手の一人や二人いてもおかしくない年頃だろう。
だが、今の私は、動きやすいシンプルなブルーのワンピースを纏い、ひとり静かにパンとキノコのスープを口にする。
食事を終え、すっかり闇に沈んだ森を窓越しに眺め、私は寝る準備を始めた。
コットンの寝着に着替え、ベッドに入ろうとした――その時。コン、コン……。静寂を破るように、小屋の扉がノックされた。私は肩をビクリと震わせた。
もちろん、援助など一切ない。掃除も料理もすべて自分でやるしかない。与えられたのは、台所と寝所だけがある粗末な小屋。
だが――。
それでも、ずっと心を殺し、義母たちの冷たい視線に耐える日々より、今のほうがはるかに心が安らぐ。ここでなら、私は私のままでいられる。
今の生活は、森のすぐそばにあるこの小屋を拠点に、昔屋敷で学んだ薬草の知識を生かし森の草花から薬を作ること。出来上がった薬草は町の商人に売ってもらい、なんとか生計を立てている。
森の異変が始まってから、人々は森に近づかなくなった。そのおかげで、薬草の需要は増え、少しずつではあるが安定した収入を得られるようになった。
二十一歳――。
本来なら貴族の令嬢として、ドレスをまとい、夜会に出席し、結婚相手の一人や二人いてもおかしくない年頃だろう。
だが、今の私は、動きやすいシンプルなブルーのワンピースを纏い、ひとり静かにパンとキノコのスープを口にする。
食事を終え、すっかり闇に沈んだ森を窓越しに眺め、私は寝る準備を始めた。
コットンの寝着に着替え、ベッドに入ろうとした――その時。コン、コン……。静寂を破るように、小屋の扉がノックされた。私は肩をビクリと震わせた。