辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「アンネのお父様は違うんじゃないか?」
そう尋ねれば、アンネはムッとした表情をする。
「おとーたま、ブルーのおめめって」
「え?」
言っている意味がわからず問いかければ、アンネはキョトンとした表情をしている。
「おとーたま、とーく。ちょうちょ」
何気なく言ったアンネだが、蝶に夢中で手を伸ばす。俺は頭の中が整理できないまま、その蝶の周りに結界を張り、アンネの目の前までそれを持ってくる。
「いたい、とんでけ」
結界の中にアンネは手を入れると、その蝶にそっと触れる。
眩い光に包まれた後、さっきとは全く違う、元気そうに飛ぶ蝶がいた。
「うそだろ……」