ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
あなたの事が好きだ。
頭の中で残響のように
その言葉が残る。

俺が言葉にすると、本当に軽く
なってしまう・・・・

そんな事を、ぼんやりと考えながら、駐車場についた。

ヒューン

小型ドローンが、俺の頭をかすめて行った。

ドローンは、小さな包みを
俺の足元に落とすと、旋回をして飛んで行った。

ドローンの向かう先には、
教授の部屋の窓が、開いている。

カーテン越しにチラッと教授の姿が見えたが、
すぐにドローンを回収すると
窓が閉められた。

ぐしゃぐしゃの紙を広げると、
俺の水没携帯があった。

その紙にはたったの2行、
走り書きだ。

今晩7時
クラウンレストラン

教授のお誘いか・・・
思わず、ため息が漏れた。

きっと、平手打ちの件とか、
携帯水没の件とか、
たかりの口止めとか、セクハラの件とか話を考えているのだろう。

俺はまだやり残した事がある。
唇へのキス・・
それもディープキスだ。

そして、もう一度、
素直に自分の気持ちを伝える。
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