ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
俺はポケットからルームキーを
取り出し、教授の膝に置いた。
「今日はもう、お休みになってください。
俺はこれで帰るので。
明日、親父の牧場に行きましょう。
10時に迎えに来ます」
俺は立ち上がった。
結婚相手としてどうなのか、
一晩悩んでもらってもかまわない。
教授はうつむいたまま、
膝のルームキーをしばらく眺めていたが、
手をすぃっと伸ばして、
俺のスーツの上着を引っ張った。
「これがデートという設定なら、
部屋まで送るのだろう・・」
設定ね・・・
教授も素直でないが、俺にはちょうどいいだろう。
「わかりました。
部屋まで送りします。」
教授は無言で立ち上がった。
「靴づれができて痛い」
そう言って、
俺の腕にすがるようにつかまった。
色々と言い訳をするのだな・・
この人は・・・
「明日になったら、気が変わるかもしれない・・
ワインのせいで、問題点の整理ができていないし・・」
「はいはい」
俺は笑いをこらえて答えた。
「これからはアイリスと
呼びますから」
教授は無言でうなずいた。
「部屋に着いたら、
キスぐらいはしますよ」
俺の事前通告に、再度うなずいた。
おわり


