【完結】気付かずにいた両片思い。


◇ ◇ ◇


「え〜、どっちにしようかな……」

 陸とのビュッフェデートの前日の夜、私はビュッフェデートに着ていく服を選んでいた。
 ビュッフェデートなら少しカジュアルな感じでもいいと思うけど、やっぱり私的には普段着ないような可愛い服を着ていきたいと思ってはいる。

「これも可愛い、けどな……」 

 陸に少しでも【可愛い】とか【似合ってるよ】とか言ってほしいなぁ、なんていう淡い期待を旨に抱きながら、私はデートの服を選んだ。
 
「……よし、これにしようかな」

 これなら女子っぽい雰囲気もありつつ、ちょっとカジュアルな雰囲気もあって、デートっぽくなったと思う。
 陸の反応は分からないけど、少しでも可愛いと思ってもらえたら、嬉しいな……。

 ん?……陸?
 そう思っていた時、陸からLINEがきた。

【明日、行けるのか?】

【うん、大丈夫だよ。すごい楽しみ!】

 陸ってば、確認のためのLINE送ってきたの?……嬉しい。

【それは良かった。明日家出る時、また連絡する】

【分かった!】
 
 可愛いクマの了解です!というスタンプを送ると、陸からペンギンのスタンプでおやすみというスタンプが送られてきた。

「ペンギン……」
 
 陸って可愛いスタンプ、使っているんだな。
 ペンギン好きなのかな?
 
「明日聞いてみようかな」

 陸のことは、もっともっと知りたいから。
 大好きな陸のこと、たくさん知りたい。 

「……おやすみ、陸」

 私は陸から前にもらったカワウソのぬいぐるみを抱いて、いつもよりも早めに寝た。


◇ ◇ ◇
< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop